備忘録的な

業務用

NTP

Windowsドメインコントローラに昇格すると自動的に NTP サーバとなります。
そして、ワークグループ端末はドメイン参加時(DCへ昇格する場合も)に自動的にドメインコントローラと同期するようになります(第 2 回で紹介している Type レジストリ値が NT5DSになる)。
ちなみに事前にデフォルト以外の同期先設定を行っている場合は Type = Allsyc (NT5DS + NTP)となります。


NTP サーバとしては下記レジストリ値 Enabled = 1 の場合に NTP サーバとなります。
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HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\W32Time\TimeProviders\NtpServer
名前: Enabled
種類: REG_DWORD
データ: 1
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上位に同期先がある中間の NTP サーバとして設定する場合や、ワークグループ環境を NTP サーバとする場合は AnnounceFlags = 5 も設定変更します。
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HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\W32Time\Config
名前: AnnounceFlags
種類: REG_DWORD
データ: 5
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値には次の設定が利用できます。
デフォルトの 10 は 2 + 8 を示しており、動作は自動的に決まります。
5 = 1 + 4 であり、常に権原のある NTP サーバとなります。
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0 時刻サーバとして公開しない
1 時刻サーバとして公開する
→外部と同期していないと同期できない
2 他のマシンとの兼ね合いで、時刻サーバとなるか決定される
4 権限があるサーバとして公開される
8 他のマシンとの兼ね合いで、権限があるサーバとなるか決定される
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1 は NTPサーバとして公開する設定、4 は権限がある設定であり、5 にすることで、権限があるNTPサーバとして公開する設定となります。
権限がないと、他のサーバの状況次第で NTP サーバになったりならなかったりするので、5 にしておくと確実といえます。
(5 でないと、上位のNTPサーバと同期ができていない場合にはクライアントに時刻データの提供を停止(アドバタイズを停止)する動作となる)

なお、複数ドメインコントローラ構成で、外部の NTP サーバと同期する DC サーバが 1 台のみで他はドメイン階層に従った同期(Type=NT5DS)の場合は 外部の NTP サーバと同期する DC を PDCエミュレータ(通常は FSMO) とし、AnnounceFlags = 5 としますが、それ以外はデフォルトの 10 のままとします。
これは同一ドメイン階層では PDC エミュレータ の役割を持つ DC が最上位となりますが、それ以外の AnnounceFlags = 5 があるとそのサーバは自信を最上位とするため、PDC エミュレータ の役割を持つ DC と同期を行えなくなる場合があるためです。

<参考情報>
Windows Server で権限のあるタイム サーバーを構成する方法
https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/816042