備忘録的な

業務用

ダイナミックディスク

MBR・GPTとベーシック・ダイナミックディスク
最近は、大容量のハードディスクが購入できるようになりましたが、2TB以上のハードディスクを購入されるような場合は、少し注意が必要です。

Windows XPの時代には、2TB以上のハードディスクなど存在していませんでした。
このため、Windowsなどを起動するときにはハードディスク上のMBRマスターブートレコード)という領域を認識して起動することがあたりまえになっていました。

しかし、2TBより大きいハードディスクが出てきて(たとえば3TB)、これを1つのパーティションとして使用したい場合には、MBRというパーティションスタイルでは2TB以上のハードディスクをフォーマットすることができなくなりました。

そこで、現れたのが、GPT(GUIDパーティションテーブル)というパーティションスタイルです。ただし、このパーティションスタイルに対応するためには、パソコンのBIOSが、EFI (Extensible Firmware Interface) という拡張インターフェースをもつタイプになっていないとGPTタイプのハードディスクを認識することができません。

Windows Vistaや7のProfessional以上で、64ビットのOSでないと、このGPTというスタイルには対応していないようです。(Windows 8はよくわかりませんが、おそらく64ビットが必要かも?)

つまり、Windows XPVista(32ビット)、7(32ビット)などのパソコンの場合、ハードディスクを3TBに変更しても、2TBまでしか認識できないということになりますし、最悪の場合は、ハードディスク自体を認識できないようなこともあります。

Windows Vistaや7でハードディスクをフォーマットしようとしたときに、ディスクをMBRタイプにするか、GPTタイプにするかというダイアログが出ることがありますが、パーティションサイズが2TB以下であればMBRを選んだほうが正しい選択となります。

実際には、OSが入るパーティションは数百ギガあれば十分なので、3GBを1つのパーティションで使うという場合は、データ用のパーティションになるかと思います。

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もう1つの問題として、ベーシックディスクとダイナミックディスクの種類があります。この2つのディスクタイプは、ハードディスクのパーティションの作り方が全く異なるので注意が必要です。

元々はベーシックディスクのみだったのですが、Windows2000から、ベーシックディスクをダイナミックディスクに変換できる機能がついたようです。

通常のパソコンは、ベーシックディスクが基本の状態ですが、サーバーなどでは、ダイナミックディスクとして使用することもあるようです。

ベーシックディスクの場合、最大で3つのプライマリパーティションと1つの拡張パーティションを作成でき、1つの拡張パーティションの中には、最大で128個の論理ドライブを作成できるようになっています。

このプライマリパーティションというのは、WindowsなどのOSが起動できるパーティションのことを意味しており、1つのハードディスクの中に3つのOSをインストールして、マルチOSとして使用するような場合は、ベーシックディスクというタイプである必要があります。

これに対して、ダイナミックディスクというのは、最大で約2000のパーティション(正しくはボリュームと呼ぶ)を作成することができるタイプのもので、スパニング(複数のハードディスクを1つのドライブとして結合する)や、ストライピング(データを複数のハードディスクにまたがって保存する)、ミラーリング複数のハードディスクに同一データを保存する)などの拡張的な機能を持ったタイプです。

ただし、ダイナミックディスクの場合、1つのハードディスクにOSは1つしかインストールできないという欠点があるので、OS用のハードディスクというよりは、データ保存用のハードディスクとして使用される場合が多いと思われます。

また、上記のスパニングやストライピングやミラーリングなどの機能を使用するためには、Windowsの上位バージョン(UltimateやEnterprise)もしくは、Windows ServerなどのOSが必要になります。

つまり、一般のパソコンの場合は、ベーシックディスクがあたりまえで、ダイナミックディスクにする必要は全くありません。

しかし、ベーシックディスクからダイナミックディスクに変換することは、データが入った状態で移行できるために、間違って変換してしまうことがあります。

再び、ダイナミックディスクからベーシックディスクにするためには、ハードディスクのパーティションをすべて削除して未割り当て領域にしてからベーシックディスクに戻すことになるので、リカバリーと同じくらいの作業が必要となり、とても大変です。

ですから、くれぐれもベーシックディスクをダイナミックディスクに変更するようなことはしないように注意してください。

 

プライマリパーティションと拡張パーティション

 

「プライマリパーティション」と「拡張パーティション」の違い - パソコントラブルと自己解決

 

ダイナミックディスク 【 dynamic disk 】

Windows2000以降に追加されたハードディスク管理方式。

MS-DOSの時代から用いられてきた方式(現在ではベーシックディスクと呼ばれる方式)ではプライマリパーティションと拡張パーティション上の論理ドライブの関係が明確に分かれていたが、ダイナミックディスクでは両者が区別されることはなく、シンプルボリュームと呼ばれ、ハードディスクをシンプルボリュームとしてアクティブ領域にした後にフォーマットすることでディスクドライブとして利用可能となる。ダイナミックディスクは既存のボリュームの内容を維持したまま、また稼動状態のままでのボリュームサイズの変更、後に増設したディスクと既存のディスクを仮想的に1台のディスクとして取り扱うスパンボリューム(ボリュームセットの拡張)など多くの機能を用いることが可能となった。

従来、Windows NT 4.0まではベーシックディスクを拡張してミラーセット(複数のハードディスクにより1台のドライブを構成し、ハードディスクの物理的、論理的破損に備える)、ボリュームセット(複数のハードディスクから1つのドライブを構成するシステム)、ストライプセット(複数のディスクを併用することでアクセス速度を向上する構造)を実現していた。しかし、ディスク構成をWindowsレジストリに保存していたため、OSが何らかの原因で起動不能になった場合にはハードディスクも読み出し不可能になるなどといった問題点があった。

これに対し、ダイナミックディスク方式ではハードディスクの予約領域に論理ディクスマネージャデータベースを作成し、システムのディスク構成情報を保持する。これにより、ベーシックディスクでの問題点が解決され、再起動を必要としないディスクパーティションの変更が可能となった。ダイナミックディスク方式はWindows 2000とともに導入されたディスク管理方式であり、Windows NT 4.0およびWindows 9xではダイナミックディスク方式を利用したディスクは利用できないので注意が必要である。